私たちがみずほ銀行から受けた被害事例が今日の朝日新聞に取り上げられた。以下本文。

*追記:この記事がきっかけとなり、6日の国会でみずほ銀行の酷さが取り上げられた。

銀行の貸手責任を読み解く
融資の「被害者」へ償いを
編集委員 山田厚史
朝日新聞 2007/11/4

「家を奪われるなら、屋上から飛び降りて自殺する覚悟でおります」。まもなく90歳になる※※※※さんは、正月を待たず家を追われかねない。自宅が、みずほ銀行の抵当に入り、競売の手続きが進んでいる。
「ご自宅の資産価値は8億円。相続対策をしなければ国に家を取られます」。20年ほど前、みずほ銀行の前身、第一勧業銀行の行員が頻繁に訪れた。借金して不動産や保険を買えば家は守れる、と何度も勧められ、総額1億9千万円の融資を受けた。後にバブル融資をあおったとして廃止される大型フリーローンだった。
同居する長男夫婦が連帯保証人となり、銀行の勧めで借家を建て、アパートや変額生命保険も買った。だが返済は賃貸収入だけでは賄えない。「毎月欠かさず返済し、1億4千万円払いました。でも元金は減っていません」
当時、この融資を進めた第一勧銀の支店長は、長男夫婦の大学のサークル仲間だった。新設店を任された支店長は業績を上げるのに、友人関係をテコにした。
いまは退職している元支店長は「お客様の身になって誠心誠意やったことで、厳しい結果になりましたが、それは※※さんの自己責任ではないでしょうか」という。大学教授である長男は、返済責任は十分承知しながらも、納得できない思いを杉山清次頭取に手紙で訴えた。
「年金しか収入のない者に所得の320倍も貸し付け、リスクの説明はないまま多額を貸し込み、状況が変わると、相続税対策と勧めておきながら、存命中なのに家を渡せという。私たちは無一文で放り出される。銀行は貸手責任どう考えているのか」
これに対し、銀行は「話し合いに応ずる」というが、全額返済を求め、競売も取り下げていない。
米国のサブプライムローン危機も、住宅ローン借り手の資力を無視した銀行の過剰融資が原因だった。米政府は貸手責任を追及する一方、銀行への資金の支援と並行してローン債務者の救済と金融の規制強化に乗り出した。
日本では、信用秩序の維持が強調され、銀行は公的資金で救われた。みずほグループは、公的資金の返済を終え、旧経営者への退職金を支払うことを決めた。一方で、推定100万人と言われる提案融資の「被害者」は置き去りにされた。第一勧銀の別の支店長だった作家の江上剛さんは「銀行が本当に反省しているなら、迷惑をかけたお客機への償いをすべきです」。
利用者保護をうたう金融商品取引法はできたが、銀行の融資業務なとは対象外だ。貸し手責任は明示されず、金融消費者の権利はいまだ夜明け前である。